6月3日、午前8時頃の富士山

大石公園から


河口湖の逆さ富士は、冬のほうが多く見ることができる。これだけ暖かい時期に、8時過ぎまで逆さ富士が見られることは珍しい。
河口湖は比較的面積が広い。面積の広い湖の湖面が鏡面状なままでいるのは難しい。風が吹くとすぐに逆さ富士は消えてしまう。もっと面積の小さな湖、たとえば田貫湖だと逆さ富士を見るのはもっと易しい。タライに水を張って逆さ富士を見るのはもっとたやすい。と、老父が語る。
河口湖で逆さ富士を見る条件はもう一つあって、湖面にモーターボートがいないこと。水上スキーなどのモーターボートが一隻出ると、もう逆さ富士は消えてしまう。実際、この撮影をした数分後にはどこからか水上スキーのモーターボートが出てきて、逆さ富士をかき消してしまった。たった一人の快楽のために、自然の作った芸術を壊すというのは、いかがなものかと昔から思う。
マンガなんぞを規制したがる、日本の文化にとって何の役にも立たないパープーはたくさんいるのに、逆さ富士を見る権利のために水上スキーをせめて時間制限しようという公共心とかそーゆー文化的な心を持っている人というか、政治的に動こうという人は、日本には存在しないらしい。もうちょいこの土地に馴染んだら、条例化を進言しようと思う。しかしそれはいったいいつのことになるやら。

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